・2020年の本。東浩紀も相当久しぶりな気がする。書籍としては小説の「クォンタム・ファミリーズ」以来ではなかろうか・・・とか思っていたら、まさに冒頭で「クォンタム・ファミリーズ」直後くらいの時期に、東浩紀が中心となって立ち上げたゲンロンの、十数年に渡る東浩紀の血肉通った物語であった。面白くてとても良かった。
・自分の慢心と正面から向き合い、組織運営の難しさと事務作業の重要性に至る所とか、ほったらかしの経理や棚を今すぐ作れ!とか赤裸々に書いているのが熱くて良い。東浩紀と言う人間に初めて好感を持てた「シン・東浩紀」感がある。
・この本に書かれているプロセスってゲンロンだけでなく、宮崎駿(ジブリ)とか庵野秀明(カラー)もおそらくきっとぶつかっていて、組織(チーム)と運営(継続)の問題をそれぞれ乗り越えている感触がある。
・令和ホラー強化月間。タイトルの通り右園死児(うぞのしにこ)という怪異・現象を大量の報告書形式で話が進んでいく変形の連作短編かな。
・SCPっぽい体裁の報告書・記録を連ねていくモキュメンタリーチックで面白い。断片的な情報が繋がったりして徐々に世界観が見えてきたりする感じがとても良くて、MTGとかカードのフレーバーテキスト好きにはたまらない。
・終盤は意外な方向に展開していったけど、その辺りは一本道オート展開と言うか、それまでのスタイルを捨ててしまっていたのは残念。
・あとこの本は続編があるんだけど、色々と言いたいことはあるがそれは続編の時に書く。
・投資系の出版社の印象が強いパンローリングの本。Xで株クラがオススメしていたので読んでみた。「コントラリアン」とは逆張りのことで、そんなタイトルに惹かれたのものある。
・初心者にはやや難解な内容だった。内容の大半である大量のデータやモデル考察など、ロジックは通っている気はするし、デタラメを言っている感じはない気がする。
・市場は予測できないという前提の元、暴落からの大きな回復力に期待する。その時に適切に張るためのロジックと言った趣き。
・映画のノベライズ。脚本・監督の人が書き下ろしているので厳密にはノベライズとは違うのかもしれないけど。映画は少し前に見ていて、印象に残っていた意味深なシーンに対して何かヒントがあるかなと思って読んでみた。
・娘のバイオリンのシーンはそうだったのかあと思った。あとサトウの意図というか考えが描写されていて良かった。3つの問いの回答によっては生かそうという意志があったという事。
・あえて読み。Not For Meであることは十分分かっているけれど、たまたま目に止まったので。タイトルの中でブスだけは関係なくない!?とは思った。
・読んで数ページで嫌になってきた事に、なんで文中で出てきた大学中退という設定と、著者プロフィールの「大学卒業後~」という記載がいきなり衝突するのか(そして、そのことに気付いていないのか、読者が気付かないと思っているのか特に補足説明もない)。頼むぜホントに。
・謎の本と音楽紹介コーナーと謎のペラいエピソード(イケメンに片っ端から告白して8人目で付き合えた、投資先が消滅して300万円失ったけどネタになってラッキーとか)とか全体的に、嘘でもヤバい。いきなり「帝王学」を学んだと記載があるが、具体的には何を学んだかは分からずじまいだった。
・一体どうやって年商2億になったのか最後まで分からなかった。プロフィールには不動産投資とか書いてあったが、主軸がバイナリーオプションであることしか伝わってこない。しかもバイナリーオプションを勧める講師みたいな感じなんだよな。金融法にひたすら配慮している気配(「絶対」とは絶対に言わないようにチェックされている気配)が伝わってくる。そこはチェック厳しいのに他の整合性とかはザルで適当だった。
・何年前かに話題になっていた本。最近は中世日本づいていて、漫画でも「逃げ上手の若君」とか「バンデット」とか読んでる。どちらも傑作の「魔人探偵脳噛ネウロ」と「鬼ゴロシ」が導線となっているのはなんか凄い。ジョージ秋山の「アシュラ」も応仁の時代らしい。
・応仁の乱については何も知らない。足利尊氏以降の時代というぐらいしか分からなかったけど、この本の丁寧な解説を読んでいても複雑怪奇過ぎる。当時の興福寺が存在感と影響を持っていたこととか、坊さんのマメな日記によってバイアスはあるものの当時の状況が詳細に分かっていくのはすごく、すごい面白い。
・京都が堅牢な都市であることで攻めきれなかった点が応仁の乱の要素の一つであることとか、京都内の奇襲で足軽が活躍したという話も面白い。これだけ複雑だけど盛り上がりも特になく延焼し続けていた感じが乱のリアリティ、実際の戦争とはこんな感じの消耗戦なのだろうなあと、現代のウクライナ戦争を思いながら読んでいた。
・夢枕獏の2004年~2024年くらいの間で書かれた短編・中編を集めた作品集。「踊るお人形」のレベルの高さ、だけど一番好きなのは「空手屋稼業」かな。
・現代にはあまり見かけないような素朴な物語であり、まっすぐで気持ちの良い話ばかりなのだけど、そんな中でもきらりと光る描写や空気感があるのはさすが夢枕獏だと思う。今ではあまり見ることのない話と言う意味では、幻想小説と言ってもいい貴重な小説。