リストと残響

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村上春樹「街とその不確かな壁」の感想。あるいは「夏帆」のための復習

2026年7月に村上春樹の新刊「夏帆―The Tale of KAHO―」が出た。とりあえずは読むつもりだが、その事前の心構えとして、前作「街とその不確かな壁」(2023年)の感想を引っ張り出してみた。確か読んだ時期は発売した年なので、今から約3年前の2023年頃の感想である。

騎士団長殺し」(2017年)から数年ぶりの新刊だが、不思議と感想を言っている人が周囲で誰もいなかった(観測できなかった)。自身の環境や人間関係の変化とか、SNSの使い方とかアフターコロナなんかの社会の変化もあるんだろうけど、単純に時代の流れだと思う。若い人はそもそも村上春樹なんか読まないんじゃないのかな、そもそも興味もないでしょという印象を勝手に抱いている。それは「海辺のカフカ」「アフターダーク」「1Q84」「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」あたりをリアルタイムで追いかけていた自分の実感でもある。

 物語自体は、カフカ以降の手癖感はあるなあと思いながら、でもリーダビリティは高くストレスなく読めたけど、フッと終わった。また、1Q84みたく続きがあるタイプか?と思ったけど、珍しく作者のあとがきがあって、どうやら過去作品のリメイクに近い作りらしくて、まあ読んでいた感じた良い部分とうーんという部分の両方で納得はした。

 村上春樹から魔法は失われたことを確信できた作品で、村上春樹自身が魔法になったのだと確信した。今後も新刊が出たら読むんだろうけど、もう村上春樹を読みに行くような感じなのだろうと思う。

 

 改めて前作の当時の感想を書き起こした上で読んでみようと思う。

 

 

2026年6月下旬に読んだ本

・億り人とか株クラの本は定期的に読んでいる気がする。ダイヤモンド社、2023年の本。インターネットはネット証券のためにしかやっていない、戦後を生きている高齢トレーダーの本。ネットで見つからないタイプの人。

・デイトレメインみたいで投資手法よりも、これまでの半生と現在の生活サイクルの方が興味を惹かれる内容だった。朝4時に日経新聞(新聞紙)を読むとか、そんな時間に配達してるんだという純粋な驚きや、これまでの株クラ本とは切り込み方が違う。あとローソク足とか改めて解説していてなるほどと勉強になったりオールドスクール感。

上巻に続いて下巻。上巻に引き続き面白かった! 2巻という短い中で色々なネタを詰め込んだ格闘小説で最高に良かった。トーナメントもちゃんと進むし、ちゃんとトーナメントの裏で暗躍もありこれもまた様式美。

・トーナメントの進行と同時に謎が徐々に解き明かされていき、なるほどそう来たかと畳みかけられた感触。上巻でもあったように作者は昭和センスを有していると思う。「ぶべらっ!」とか。あと、異世界転生、百合、○○○○モノとこの濃度のネタが2巻に収まってしまうのは今の時代の読み手のリテラシー(設定を受け入れる力)もかなり影響しているのだと思う。

・背筋デビュー作。映画化もしている。これで主だった令和ホラーは読んだと言えるんじゃねと思い上がる。他の作品でもあったように断片的な語り口は特徴のひとつのように思う。SNSライクで短文的な描写。カクヨムとかなろうというプラットフォームの影響もあるかもしれないが。

・話は王道チックだったけど、割と映像を意識した描写が多い気がする。うめき声にこだわりがあるなと感じる。ちなみに単行本・文庫・映画で結末違うらしいけど、自分が読んだのは単行本版。

・新川帆立の剣持麗子シリーズのスピンオフで1.5作目的な作品の印象だったけど、読んでみたら意外と剣持麗子ががっつりと活躍していてシリーズ2作目と言っても嘘ではない。

・今作の主人公は剣持麗子じゃないんだけど、やはり剣持のキャラの書き方は独特の切り口だと思った。今回の主人公はちゃんと葛藤する。でも言わないことは言わないし、考えも思いもしないのは独特のリアリティがあるキャラ立て。ワンナイト推理でも出てきたあの存在が本作にも出てきてちょっと驚いた。地続きの空気からいきなり突飛なことになるのは「ミステリと言う勿れ」をちょっと連想した。

・作者読み。これまでのルポ経験も含めて色々な所の炊き出し(路上メシ)に特化したルポ。怪しげな貧困ビジネスやってるっぽい団体の炊き出しはやたらと豪華なんだなあと思った。あとどこかで聞いた覚えのある新宿租界の炊き出しにも並んでいたり。

・宗教系の炊き出しは韓国系キリスト教が多いというのはへえと思った。本の中央くらいに、この本で食べた路上メシのカラー写真が並べられていたページかあったのは本当に良かった。

・「特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来」や「シルバーブレット メディカルドクター・黒崎恭司と弁理士・大鳳未来」の作者の南原詠。これまでのシリーズとは別作品だけど、知財モノ小説。モノギアという携帯ゲーム機の特許侵害を巡る・・・途中でセ○? ○ガじゃん!と気付き、あと作者がセガ好きっぽい気配もあり楽しくなってきた。

・同じ法律モノでも新川帆立とは読み味が明らかに違うのは面白いな。実際にそうだったらそのまんま過ぎると文句言っていたと思うけど、挿絵はうめのイメージ。

・「教場」シリーズ作者が新しく書いた交番警察小説。シリーズ以外の作品はこれが初めてだが、構成とかは教場シリーズと同じく連作短編形式。

・相変わらず面白かった。教場シリーズでは教官と警察学校生、犯人と刑事とか色々な構図があったが、今回は広い意味での交番警察官と再任用のOG(主人公)という構成なので、割と善悪フラットで展開にバリエーションがあって良かった。

 

6月時点で100冊くらい読んでいる気がする。年間の予算(書籍代)を確実にオーバーしているので、7月からは図書館使ったり少し読み方と読む本を変えていこうと思う。

2026年6月中旬に読んだ本

・月村了衛。同著者の別作品のあとがきで言及されていた気がしたので読んでみた。そのあとがきの中ではA地点からB地点に移動するだけの小説でも面白い的な言い回しだったけど、まあ間違ってはいない。ソマリアの海賊問題とか自衛隊とか少数部族とか時事めいたテーマの使い方は相変わらず上手い。

・追跡してくる敵側の内面描写が一切なく、モブ敵みたいな存在として出てくるので、全体的に無機質な感じがある。初期作品的な硬さがあるけど読ませる。

・ブギーポップシリーズもとい上遠野浩平作品の最新作(2026年6月現在)。今回はついにペイパーカット現象のあの人(?)もクロスオーバーしつつ、炎の魔女と末真博士との出会いも描いていて(今までなかったんかいと逆に驚くが、よく思い出してみれば読んだような気になっていたが確かにそんなエピソードはなかった)、色々な要素が1作目の「ブギーポップは笑わない」への回帰(百合原や紙木城とか竹田先輩とか)もあり、ファンにはたまらない一作。

・リセットこと雨宮美津子も出てきて個人的には嬉しい。そこまで登場回数は多くないんだけど、ポイントポイントで出てくるのでインパクトあるんだよなあ。

・株クラ?の本で、2024年の本。タイトルの通り、投資手法と言うよりも種銭作りあるいはエクストリーム節約術の本という位置付け。

・ある意味参考になる。なるのか? 著者のように超節約×20年以上はさすがに無理そうだが、短期で種銭を集めるという発想ならば色々と役立ちそうなヒントはあると感じた。

・初作者(ガビーノ・イグレシアス)、ハヤカワのポケミス読むの久しぶりだ。ブラム・ストーカー賞(長編小説部門)とシャーリー・ジャクソン賞の受賞作。ホラーノワールという言葉がぴったりの、南米の呪術的・宗教的観念とクライムノベルが融合した新しい感覚の小説だった。ホラー描写が想定の一回りくらいグロいというか描写が丁寧という部分も込みで。

・佐藤究の「テスカトリポカ」みたく、アステカ神話とか南米呪術的な世界観を組み込んだ小説ってひとつのジャンルを形成しているのだろうか、もっと他にもあるなら読みたいなとかそんなことを思った。

・初作者(春水海亭)。カクヨムで活動している作家。八尺様とくねくねでバズっていて、それで作者を知った。その作品も一番最初に収録されている短編集。これも令和ホラーなのだろうか?

・全体的にどの短編も「暴」が入っていて良い。これがホラーかは分からないが、他の令和ホラーの傾向には「暴」が一定の割合で含まれているので、これもホラーだろう。会話とか暴パートのやりとりの文体には夢枕獏の気配を感じる。間の取り方とか。好きな作品は「ホラーのオチだけ置いていく」と「書籍化必勝法」。

・↑の著作に引き続き2作目。前作のホラー短編集とはうって変わって、今回は完全にバカホラー長編。そう捉えて読めば色々としっくりくる。やはり会話の運び方には夢枕獏を感じるのと、ノリがvip的2ch的で懐かしさというか親和性が高い。

・とっつきにくさは読者次第だが、面白かった。後半は段々とスケールが広がっていくがバカホラーだよ、いや、バカ小説だな。

・ゲンロン社の本。先月くらいに「ゲンロン戦記」読んだのとタイトルが目を惹いた。五反田の周辺が生活圏だった時期があったので、出てくる地名に馴染みがあるし、ブックオフもあるので親近感のあるエリアだ。

・作者的には後半の戦争の話が盛り上がりなのだろうけど、中盤くらいまでの昔の街並みの描き方というか、作者の回想も交えた語りが特に良かった。後半の戦争の回想や記録と軍需工場としての街のもうひとつの側面的な話も良かったけれど

世界は五反田から始まった

2026年6月上旬に読んだ本

・イメージが先行しがちなスパルタの実像を追った本。歴史上のスパルタの興亡を各章に分けて、章ごとに年表がピックアップされているのは分かりやすい。思っていたより鎌倉武士と荘園社会みたいな構図だなと思った(奴隷が生産し、市民階級以上は軍務に集中)。

・自分や世間が抱いているスパルタのイメージは、当時はスパルタに利用され、後世でもナポレオンやナチスにもプロパガンダ的に利用されていた気配も感じられて面白い。おそロシアのイメージみたいな戦略や子曰くのロジックみたいに。後世の研究でも「スパルタ幻影」とか「トゥキュディディスの罠」という概念になっていたり、著者も述べている通り現代に色々と通じるし利用されるスパルタの社会と概念ではあるが、女性活躍で引き合いに出されるのは違うのではと釘があえて刺されているのも印象に残った。

・シリーズ最新作(2026年6月現在)。時系列的には「0.6」巻の記載通り、1巻以前のいわゆる回想編であり「0.5」巻の続編。ジオルグとミルメオンが出てきて、ジオルグはバトルシーン(初描写!?)があるだけでも楽しいのに、パンハイマも出てきて暴れるのでかなりお得な内容と言える。

・異世界モノ×魔女(百合)×カラテな上下巻の上巻。久々にこういう格闘小説を読めたので嬉しい。あとがきで夢枕獏もとい「ゆうえんち」リスペクトも語られていて作者も信頼できる。
・テーマがテーマなので「空手バカ異世界」と似てる所があるし、どことなくジャンプ感と言うか昭和感があるのは、明言はされていないけど明らかにカラテの始祖として「神の拳」が転生してきた設定があるので当然かもしれない。「ぶべらっ!」とか、漫☆画太郎だったか北斗の拳だったはず。まあそもそもタイトルからして「カラテ地獄変」オマージュなので仕方がない。この本では8人のカラテ魔女のトーナメントの2試合が終わった。下巻も楽しみだ。

・株クラの人の本で、2023年の本。多分フォローもしていてブログも読んでた記憶がある。メインはXとかブログで言ってることのまとめ的な感じ。後半のアノマリー分析は他の本にはないエッジだと思うけど、そこ以外はふーんという感じで読んでいた。

・元々、前からどうやって月数十万円の配当額受け取れるぐらいの資産を築いたのか不明だったが、この本を読んでも不明なままだった。著者の職業もぼやかして書いてはいたが、入金額が半端なかったのだろうなとぼんやり推察してた。

・初作者。何年か前に綾瀬はるかでドラマ化していたのは覚えている(何話か流していたようないなかったような)。このミス大賞作。ドラマ(流し見以下だが)とはだいぶテイストが違うなと思った。原作には大泉洋がいなかったからか。

・各キャラは立っているけど、葛藤みたいな設定は全員持っていない感じ。主人公も事件を通して成長というよりかは特に表面的には変化はなく、状況と心境が変わったという感じの書き方で読み口は新しい気がする。

・シリーズ2作目、実際にはスピンオフ的な作品が前作と本作の間にあるようだが。連作短編的な構成で、タイトルのワンナイトというのは事件発生か解決が夜~深夜・明け方にあるからという意味っぽい。刑事はなんか大泉洋っぽい、ドラマで大泉洋が演じていたのは違う人物だったようだけど。

・この作者はこれで2冊目だけど、読み口がやはり独特で面白い。大きい謎の感触と、それを取り扱う手つきの距離感が独特の味わいで、ラストは謎めいた余韻がある。3作目は現時点ではないようだ、本当にこれで終わり?

・読んだのは単行本。P71の「反社的」→「反射的」は文庫版で修正されていたが、P97の「トンヅラ」(「トンズラ」が正?)はそのままだったな。

・初作者。インパクトのあるタイトルは有名だと思う。ストーリーはタイトルから推測できる程度しか知らない。映画化とかアニメ化もしている。「小説家になろう」きっかけでデビューしていたはず。10年くらい前の作品だと知ってビビる。双葉社というのは珍しいな「餓狼伝」の出版社だ。

・内容は普通。そう感じるのは、自分がvipまとめとかまとめサイトで時折投下されるこういう感じの小説を目にし過ぎていた時期があったからだと思う。まあタイトルのインパクトに尽きる。

漫画「天上天下」を読んだ(全22巻)

 過去に何度か通読しているけど、いつも後半の前世回想の辺りでボヤっとなる。全体として面白いんだけどなあ。

 序盤はメチャクチャ面白い。数巻出ていた頃に初めて読んだ時は衝撃を受けた。当時基準で絵もキレイで格闘漫画でエロもあるという。そこからしばらくリアタイで追いかけていた又左や圓あたりが個人的にはピークだという感想はあまり変わらない。その後の宗白の前世回想辺りでちょっと話が引き延ばされ感があって振り落とされてしまった。

 前世回想終えてからは、もう一度巻き返して終わったのは良かった。VS又左の凶祓い覚醒とか、ボブVS圓とか光臣とのやり取りとか激熱だったのに、前世回想を挟んだせいで何もかも忘れてしまったのは許せない。

 でもまあ終盤は序盤から中盤にかけての学園モノ異能モノのテンションを取り戻していたので結果的には良い作品だったとなった。

2026年5月下旬に読んだ本

・シリーズ最新作(現時点)。今回はコロンゾン戦後の浜面パート。浜面VS十字教&VS上条という今まであったようでなかった対立色強めの構図。逆にここまで続けてきて、匂わせてきて本当になかったのかよ!

・シリーズの途中から、というか無印の頃から上条(イマジンブレイカー)・一方通行(アクセラレータ)・浜面(スキルアウト)の3者対立の構図を作ろうとして作らないみたいな展開焦らし(?)があったが、今となっては作者は元々そんな風に展開させる気はなかったんじゃないかと思っている。バトロワ展開でない3勢力対立は読む方も結構タルいんだよ、きっと。

・アマゾンとかユニクロに潜入ルポを書いた人の体験を基に書かれた潜入取材のイロハ。初手でペンネームを使え、潜入時にバレる可能性が高いからという実用的過ぎる理由とアドバイスで信頼できることが分かる。それでも意外とバイト採用時点で調べられることはないみたいではあるが。

・あとは取材時のポイントとして訴訟対策的な観点もあり面白い。ちゃんと正式に取材を申し込んで断られるという履歴というか手続きは大事なようだ。

・タイトルからしてルフィがいたフィリピンの収容所のルポみたいなイメージだったが、ミャンマーとカンボジアの国境線辺りが中国人犯罪者の最前線という内容のルポだった。

・ミャンマーに詳しい著者なので、思っていたよりミャンマー寄りの内容で良かった。 ミャンマーの政情(長きに渡る軍事独裁政権から民主化の動きの中で2015年のアウンサンスーチーを代表とする国民民主連盟(NLD)の政権交代、2021年のミャンマー国軍の軍事クーデターによる軍事政権の復活)とか国内の複雑な対立構造(国軍と民主派勢力と少数民族武装勢力、あと中国の内政干渉)によって中国にとっての非合法活動の空白地帯が作られているという構図っぽい。

・シリーズ2作目。時系列的には1作目「右園死児報告」の前日譚(明治時代~)にあたる。個人的には前作よりも一貫していて面白かった。1作目の読後感と時代設定的にホラーとしてではなく伝奇として読んでいた意識があったので、そのせいかもしれないが楽しめた。

・ただ唯一許せないことがあって、1作目と外観・装丁がほぼ同じで、かろうじてタイトル名の違いが「久」の有無だけということ。それによって間違えて2作目から買ってしまったのだ。2ページくらい読んで「あれ・・・?」となって気付いた時の精神的ダメージ! 運悪く1作目は置いてなかったので全く気付かなかった。

・バビロニアやエジプトの神々を、太陽神・地母神・天候神・死んで甦る神など様々な側面(テーマ)で解説した本。各章やテーマごとに日本神話や聖書、インド神話などの派生や影響に触れられていてイメージしやすく面白い。

・しかしながら、登場する神々のメンツを見ていると、全体的にはメガテンシリーズとFGOのビジュアルがちらつく。

・昔からタイトルだけは知っていたけど、いつの間にか古典的な作品扱いになっていた。なっていないと絶版になっている運命なのだろうけど。同作者の「語り手の事情」というヴィクトリア朝メイド小説(語弊は少しあるが間違ってはいない)は読んだことがある。変な小説で面白かった。

・謎の集団的な墨家をテーマに、全140ページくらいで意外とスルスル読めた。そして、あっさりと終幕した。現在からすると淡白な展開かもしれないが、墨家について情報がほぼない中で調べ上げて書かれた物語は貴重だ。成功とも失敗ともつかないその有様が墨家の歴史上の消失とラップしてる感じもある。

・LEVECHY(レベチー)という不動産クラウドファンディングの会社の宣伝本。パノラボという出版社もそういう企業向けの出版社っぽい。タイトルで手に取ったが、不動産クラファンの紹介だけだった。ただまあタイトルにあった「新NISAにプラスして」という視点は新しくて良かった。

・途中で自己資産フルの場合とローン併用した場合の利回りの計算があったんだけど、計算が根本的におかしくない?と思った。不動産の資産価値は同じだけど、ローン組んだ方が利回りが倍くらい違っていて、たぶん投入した自己資金に対して利回り計算しているけどそれって合ってるのか?とモヤモヤしてた。あと、不動産蔵ファンの収益が雑所得扱いなら、あまり自分にとってはあまり意味とメリットがないなとは思った。

・古代製鉄の古典的名著。書名と著者だけは他の本とか参考文献でよく見かけていたとは思う。1960年初版の本だが、読んだのは2012年の増補第3版。

・後進の本によく引用されているせいか、新鮮味はそこまでなかったが、王道・古典としての格のある本で読めてよかった。

・褐鉄鉱の話が思ったより触れられていて驚いた。むしろテーマの柱の一つくらいの勢いだったのと、銅鐸の「鐸」=サナギというインスピレーションは刺激的だった。

・ルポ作者の短編集的な本。作者が今まで生活・旅行してきた街や国の日記的な内容。

・作者が過去に男娼をしていたというのはこの本で初めて知って、思っていたよりもすごい人生を過ごしている。とは言え作者自身はノンケなので指名を断らないから(非ノンケだと好みがあるので指名をよく断るらしい)売上No1の売れっ子だったという話はなるほど面白い。

・初作者。サブタイトルにあるように、天安門事件を題材にした珍しい小説。

・どういう意図とモチベーションで書かれたのかは分からないが、まあ普通に楽しめた。全体的に予定調和的と言うか、どういう読み方がベターなのか分からないまま読み進み、読み終わったという感はある。

2026年5月中旬に読んだ本

・2020年の本。東浩紀も相当久しぶりな気がする。書籍としては小説の「クォンタム・ファミリーズ」以来ではなかろうか・・・とか思っていたら、まさに冒頭で「クォンタム・ファミリーズ」直後くらいの時期に、東浩紀が中心となって立ち上げたゲンロンの、十数年に渡る東浩紀の血肉通った物語であった。面白くてとても良かった。

・自分の慢心と正面から向き合い、組織運営の難しさと事務作業の重要性に至る所とか、ほったらかしの経理や棚を今すぐ作れ!とか赤裸々に書いているのが熱くて良い。東浩紀と言う人間に初めて好感を持てた「シン・東浩紀」感がある。

・この本に書かれているプロセスってゲンロンだけでなく、宮崎駿(ジブリ)とか庵野秀明(カラー)もおそらくきっとぶつかっていて、組織(チーム)と運営(継続)の問題をそれぞれ乗り越えている感触がある。

・令和ホラー強化月間。タイトルの通り右園死児(うぞのしにこ)という怪異・現象を大量の報告書形式で話が進んでいく変形の連作短編かな。

・SCPっぽい体裁の報告書・記録を連ねていくモキュメンタリーチックで面白い。断片的な情報が繋がったりして徐々に世界観が見えてきたりする感じがとても良くて、MTGとかカードのフレーバーテキスト好きにはたまらない。

・終盤は意外な方向に展開していったけど、その辺りは一本道オート展開と言うか、それまでのスタイルを捨ててしまっていたのは残念。

・あとこの本は続編があるんだけど、色々と言いたいことはあるがそれは続編の時に書く。

・投資系の出版社の印象が強いパンローリングの本。Xで株クラがオススメしていたので読んでみた。「コントラリアン」とは逆張りのことで、そんなタイトルに惹かれたのものある。

・初心者にはやや難解な内容だった。内容の大半である大量のデータやモデル考察など、ロジックは通っている気はするし、デタラメを言っている感じはない気がする。

・市場は予測できないという前提の元、暴落からの大きな回復力に期待する。その時に適切に張るためのロジックと言った趣き。

・映画のノベライズ。脚本・監督の人が書き下ろしているので厳密にはノベライズとは違うのかもしれないけど。映画は少し前に見ていて、印象に残っていた意味深なシーンに対して何かヒントがあるかなと思って読んでみた。

・娘のバイオリンのシーンはそうだったのかあと思った。あとサトウの意図というか考えが描写されていて良かった。3つの問いの回答によっては生かそうという意志があったという事。

・あえて読み。Not For Meであることは十分分かっているけれど、たまたま目に止まったので。タイトルの中でブスだけは関係なくない!?とは思った。

・読んで数ページで嫌になってきた事に、なんで文中で出てきた大学中退という設定と、著者プロフィールの「大学卒業後~」という記載がいきなり衝突するのか(そして、そのことに気付いていないのか、読者が気付かないと思っているのか特に補足説明もない)。頼むぜホントに。

・謎の本と音楽紹介コーナーと謎のペラいエピソード(イケメンに片っ端から告白して8人目で付き合えた、投資先が消滅して300万円失ったけどネタになってラッキーとか)とか全体的に、嘘でもヤバい。いきなり「帝王学」を学んだと記載があるが、具体的には何を学んだかは分からずじまいだった。

・一体どうやって年商2億になったのか最後まで分からなかった。プロフィールには不動産投資とか書いてあったが、主軸がバイナリーオプションであることしか伝わってこない。しかもバイナリーオプションを勧める講師みたいな感じなんだよな。金融法にひたすら配慮している気配(「絶対」とは絶対に言わないようにチェックされている気配)が伝わってくる。そこはチェック厳しいのに他の整合性とかはザルで適当だった。

・何年前かに話題になっていた本。最近は中世日本づいていて、漫画でも「逃げ上手の若君」とか「バンデット」とか読んでる。どちらも傑作の「魔人探偵脳噛ネウロ」と「鬼ゴロシ」が導線となっているのはなんか凄い。ジョージ秋山の「アシュラ」も応仁の時代らしい。

・応仁の乱については何も知らない。足利尊氏以降の時代というぐらいしか分からなかったけど、この本の丁寧な解説を読んでいても複雑怪奇過ぎる。当時の興福寺が存在感と影響を持っていたこととか、坊さんのマメな日記によってバイアスはあるものの当時の状況が詳細に分かっていくのはすごく、すごい面白い。

・京都が堅牢な都市であることで攻めきれなかった点が応仁の乱の要素の一つであることとか、京都内の奇襲で足軽が活躍したという話も面白い。これだけ複雑だけど盛り上がりも特になく延焼し続けていた感じが乱のリアリティ、実際の戦争とはこんな感じの消耗戦なのだろうなあと、現代のウクライナ戦争を思いながら読んでいた。

・夢枕獏の2004年~2024年くらいの間で書かれた短編・中編を集めた作品集。「踊るお人形」のレベルの高さ、だけど一番好きなのは「空手屋稼業」かな。

・現代にはあまり見かけないような素朴な物語であり、まっすぐで気持ちの良い話ばかりなのだけど、そんな中でもきらりと光る描写や空気感があるのはさすが夢枕獏だと思う。今ではあまり見ることのない話と言う意味では、幻想小説と言ってもいい貴重な小説。